文末表現(敬体と常体)について

文末表現(敬体と常体)について

文末表現(敬体と常体)について

私たちの日常は、文字で溢れています。文字の集まりを文、文の連なりを文章と言いますが、同じような内容の文でも、その文体によってその印象がガラリと変わることはよくあります。今回は文体の中でも特に文末表現について紹介します。


文体とは

文体とは、文章のスタイル・様式のことを言います。書き手が与えたい印象に近づけるために意識的に(あるいは無意識に)工夫をしているので、書き手によって与える印象が異なってきます。もちろん、読み手側が書き手の意図通りに受け取るとは限らないということもありますが、良い書き手と呼ばれる人は意図通りに印象を与える文章が書けているわけです。

文体として定義されているものには以下のような種類があります。

口語体
話し言葉と言われるもので、話し言葉を基にした、現代で普通に使われている文体。
文語体
書き言葉と言われ、口語体とは対義されているもの。明治~昭和初期のころまで使われていた文体のことになります。代表的な作品は『舞姫』。
和文体
平安時代、主に女性が平仮名を用いて使用していた文体。またそれに倣った文体のことで、やまとことばが主体の柔らかい文章。『枕草子』など。
漢文体
和文体と対義され、漢文を訓読する口調にならった文体。『将門記』など。『平家物語』になると和漢混淆文とされます。
書簡体
手紙の形式をとった主観的に書いた文体。西洋文学には書簡体小説というジャンルがあり、ゲーテの『若きウェルテルの悩み』が有名。
論文体
論文形式による客観的に書いた文体。

現代日本では基本的に口語体が使われますが、「話し言葉」と「書き言葉」で使い分けられています。ただしこれらは会話するときと文章を書くときで使い分けがされているわけではなく、例えばSNS上でのコメントは大半が「話し言葉」のままで書かれているように、友達への気軽なメッセージだったら「話し言葉」で、ビジネス相手へのメールだったら「書き言葉」と状況に応じて使い分けがされています。

ビジネス文書を作成しているときに、よく「ら抜き・い抜き言葉」が混入しているとチェックされることがありますが、それは「書き言葉」にも関わらず「話し言葉」と判断されることになるからです。

文字起こしの世界では、「話し言葉」を「書き言葉」へ変換する起こし方があります。それが「整文」です。


整文

整文は、発言をそのまま文字に起こすのではなく、不要な語句などは削除し言い回しや語尾を整える起こし方をいいます。主に「ら抜き言葉」や「い抜き言葉」、「重複表現」、「文末表現」の確認・修正を行い「書き言葉」へ変換します。その中でも文の印象を大きく変えるのが「文末表現」です。


文末表現

文末表現とは、文字通り文の終わり方のことを指します。文末は、動詞で終わるもの、断定の助動詞で終わるもの、体言止めのパターンなどに分けられます。同じパターンが繰り返されると単調かつ稚拙とみなされやすい文章になってしまうので、国語教育の場でもこれらのパターンを適度に混ぜることが推奨されています。

この中でも文章の印象を大きく変えるものが、「断定の助動詞」の使い分けです。これは「敬体」と「常体」で大きく2つに分けられます。いわゆる「です・ます調」と「だ・である調」のことです。


敬体と常体の使い分け

敬体「です・ます調」

敬語がベースとなっている文末表現になります。そのため読み手に与える印象は柔らかく、丁寧であることを印象づけることが可能です。敬体が使用されるシーンとしては、感想文やレビュー、ブログなど読み手に対し自分の意見を受け入れてほしい、共感してほしいときなどに使用されることが多いようです。

常体「だ・である調」

敬体とは逆に、読み手側に自分の意見などを強く伝えることができます。文章をより強く断定的に言い切るので説得力のある文章に仕上げることが可能です。常体が使用されるシーンとしては、論文やビジネス記事、新聞などになります。

原則的に、文章内で敬体と常体を混在させることはありません。混ぜて使用してしまうことで、ちぐはぐな印象を与え文のつながりに違和感を覚えてしまうからです。

敬体
私はバイトをしたいと思っています。おいしいまかないを食べられる飲食店が希望です。
常体
私はバイトをしたいと思っている。おいしいまかないを食べられる飲食店が希望だ。
敬体+常体
私はバイトをしたいと思っています。おいしいまかないを食べられる飲食店が希望だ。

ベースを敬体におくのか常体におくのかで印象自体も大きく異なってくるかと思います。敬体は自らの希望を相手に優しく丁寧な印象を与えますが、常体では自分の希望を押す力強い印象がうかがえます。敬体+常体では、文と文のつながりに違和感が生まれ、幼稚さを感じさせてしまいます。このようなことが起きないように私たちは普段から敬体、常体どちらかに統一することを無意識に行っているのです。

もちろん小説や詩の世界では敢えてちぐはぐな文体を使用することもあれば、同じ語尾を連続して使い続けることで、逆にたたみかける力強さを生む文章もありますので、一概に禁止というわけではありません。


整文での使い分け

文字起こしの場では、敬体と常体ではどのような印象の違いがあるのでしょうか。具体例をあげながら解説します。

例) 素起こし(発言そのまま)

えー、デジタルトランスフォーメーション、DXってなんだという質問をもらうことが多いんですけど、えー簡単に言うと、んー、デジタルトランスフォーメーションって3つ定義があるんですよね。えっと、1つ目は、「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」って、あー、スウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマンっていう教授が言い、言い始めた概念で、えー、2つ目はビジネス用語で、えー、一般的に「企業がテクノロジー(IT)を利用して事業の業績や対象範囲を根底から変化させる」って言われているものなんですよ。…

例) 整文(敬体)

デジタルトランスフォーメーション、DXは何かという質問をいただくことが多いです。簡単に説明するとデジタルトランスフォーメーションには3つの定義があります。1つ目は、スウェーデンにあるウメオ大学エリック・ストルターマン教授の「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念です。2つ目はビジネス用語で「企業がテクノロジー(IT)を利用して事業の業績や対象範囲を根底から変化させる」と言われるものです。…

例) 整文(常体)

デジタルトランスフォーメーション、DXは何かという質問をいただくことが多い。簡単に説明するとデジタルトランスフォーメーションには3つの定義がある。1つ目は、スウェーデンにあるウメオ大学エリック・ストルターマン教授の「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念だ。2つ目はビジネス用語で「企業がテクノロジー(IT)を利用して事業の業績や対象範囲を根底から変化させる」と言われるものである。…

「です・ます調」で整える敬体の文章は、印象が優しく受け手側に語り掛けるような文面であることがわかります。一方、「だ・である調」で断定する文末が特徴的な常体では、言い切ることで説得力のある文面であることがわかります。特に断定的にすることによって、読み手に「そうなのか」と共感を得やすい印象を受けるのではないでしょうか。

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