身の回りで利用されているAI音声認識
AIによる音声認識が実用化されるようになり、様々なところで活用されています。文字起こしで利用されているAIの事例は過去の特集記事でもご紹介してきましたが、今回は身の回りにあるサービスで利用されているAI音声認識についてご紹介します。
電話対応
コールセンターなどの電話業務で、顧客対応の用途で使われているのが会話型AIです。一般的な質問であれば会話型AIのみで対応することも可能で、例えば郵便局のサービスでは、ゆうパックなどの集荷の手配を電話で行う際に利用されています。

自動音声応答(IVR)
かつての自動音声応答は、ガイダンスで流れるメニューに沿って操作する必要があり、ユーザーはメッセージに対して単純なキーワードや番号プッシュで応答していました。
ユーザーは予め用意された順路に従って進むしかなく、分かれ道があるにしても、順路にない内容やどちらの選択も含む曖昧な内容、あるいは適切なキーワードを知らなかったりすると袋小路に迷いこむこともありました。
ここにAIを導入することで自然な会話形式での対応可能になっています。ユーザーは具体的な質問を音声で直接尋ねる、あるいは回答するとAIが内容に応じて適切な部門や担当者に案内するなどで対応してくれるので、順路にとらわれない自由な選択が可能になっています。
自然言語処理(NLP)
電話対応での進化の鍵となるのが、音声認識技術と自然言語処理です。例えば「○○について教えてください」といった質問に対応するには、まずその音声の内容を正確に認識する必要があります。さらにその言葉の意味や文脈を解釈・把握することで、ようやく質問や要望に応じた的確な回答が提供できるようになります。
この技術を一躍有名にしたのは「ChatGPT」です。深層学習(ディープラーニング)により天文学的な大量の文章を読み込ませることで、技術者が一つ一つ教え込まなくても自然な言語処理を自分自身で習得するようになりました。
具体的な活用事例
FAQ対応の自動化
AIによるFAQ対応は、多くの企業が採用している方法です。営業時間、商品在庫、返品手続きなど顧客がよく尋ねる定番の質問に対して、AIが音声やチャットを通じて自動で答える仕組みが広がっています。
コールセンター内でのAIアシスタント
FAQでは収まらない対応になると従来通り人間の対応が必要になりますが、ここでも業務をサポートするAIアシスタントが導入されています。AIが通話内容をリアルタイムで解析し、顧客の質問に対する回答候補や、関連する情報をその場で瞬時に提示するなど、アシスタント的な役割を担っています。
顧客感情の分析
最新のAI技術では、顧客の話し方や声のトーンを分析し、顧客の感情やストレスレベルを判断することも可能です。例えば最初はAIが対応していても、顧客の声から怒りや不満を検知するとすぐに人間のオペレーターに引き継ぐなど、より柔軟な対応が可能になります。

多言語対応
AIは多言語の会話にもフレキシブルに対応できるため、言語の壁を超えてサービスを提供することが可能です。外国語での問い合わせにもAIが通訳のように対応し、円滑なコミュニケーションを支援します。
AI電話対応はまだ進化の途中にあり、今後もさらに高度な会話スキルや、顧客の個別ニーズに対応できる技術の発展が見込まれています。
音による異常の検知
機械の出す音や環境音も音声の一種と言えます。音声認識AIを使った異常検知は、工場や医療、防犯などさまざまな分野で導入が進んでいます。一般的な異常音を検知するだけでなく、動作音や起動音を常に監視することで、音を分析し、波形などから異常の前触れ段階を検知することも可能で、また人の立ち入れない場所、手の届かない場所でもマイクを入れることが出来れば音が拾えるため活用範囲も広く、リスク管理と効率の向上に貢献しています。

工場や製造業での異常検知
「言語モデル」の学習と同様に、AIに正常な状態の機械の稼働音を大量に学習させることで、「異常音検知モデル」が生成可能です。異常音が確認されたら管理者に通知をすることで対応を図ります。故障が予測される確実なタイミングでメンテナンスが行えるため、ダウンタイムの削減やコスト削減に貢献しています。
防犯システムでの異常音検知
こちらも同様に、ただ大きいだけの音ではなく、異常を示す特定の音(悲鳴や衝突音、ガラスの割れる音など)、あるいは通常の音でも例えば深夜の店内などで発生するはずがない窓が開く音や足音などを学習させてモデルを生成することが可能です。それらの音が検出された場合にAIが警報を発します。夜間の無人施設や広範囲に監視が必要な場所での防犯対策として有効です。
医療分野での患者のモニタリング
従来の患者のモニタリングは直接的な(心音や呼吸、血圧などの)生体反応を監視していましたが、さらに音声認識を組み合わせ、特定の問題のあるパターン(たとえば、浅く早い呼吸や苦しそうな咳)も検出します。これにより現場では事前に対応を行いやすくなり、患者の状態悪化を防ぐことが期待されます。
音声AIアシスタント
音声を利用して機械の操作やパソコンなどの情報機器を動かすAIアシスタント、2011年にiPhoneに搭載されたSiriやAlexa、Googleアシスタントなど、今ではあたりまえのように身近になった音声で操作するデバイスも、もちろんAI音声認識が活用されています。
最新のAIアシスタントになると、内容に応じた対応をすることも可能になっており、個人の日常生活をサポートするだけでなく、ビジネスや医療、教育の現場でも広がりを見せています。


例えば初期の音声AIアシスタントには、ワードを開けば手紙を書きますか?など通り一遍な挨拶を毎回してくるため逆にうざいと不評な機能がありましたが、進化したAIアシスタントはユーザーの好みを記憶するので、挨拶一つでも状況によって変更され、逆にたとえばファッションのページを開いて、要約してもらったり、好みにあってそうなのか意見を聞くことも可能になってきました。将来的には失恋ソングばかり流していたら励ましてくれることもあるかもしれません。
文字起こし
古くはカセットテープに録音された音声を何度も聞き直して、人力でテキストを作成していた文字起こしですが、AI音声認識を利用して出力することが出来るようになっています。場合によってはリアルタイムで文字起こしが可能なため、AI音声認識を会議時に使用することで、会議の終了時点で議事録がある程度完成していることもあります。
ただ専門用語が多い場合や、背景音などのノイズ多い環境、話者が多い場合、あるいは、方言や特殊なアクセントがある場合などは誤認識、誤変換が発生しやすくなります。人が聞かないと判断できない場合もかなり多く、完璧な文字起こしはまだまだ先のことになりそうです。また音声データや文字起こしされたテキストデータの取り扱いに関するセキュリティ対策は重要で、特に機密情報を含む内容には慎重な対応が必要です。
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