専門的な文字起こし、テープ起こしについて
文字起こし、テープ起こしのご要望は講演会やインタビュー、会議などさまざまなロケーションで発生します。その大半は、一般人を対象としたインタビューや会話・対話、会議、講義、セミナーなどとなり、平均的な言語処理スキルがあれば対応ができるものがほとんどです。
しかし、ご依頼いただく中には特定の分野や業界に特化した専門的な知識を必要とするものも数多く存在します。
医学・医療 |
医師、看護師、薬剤師などが従事する分野であり、患者の診断や治療に関する専門的な知識が求められます。 →医師の講演や臨床面談、医学研究におけるインタビューなど |
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法律 |
弁護士や法曹関係者が活動する分野で、法的な問題や手続きに関する専門知識が必要です。 →弁護士や法学者の会話・セミナー、法廷での証言など |
工学 |
エンジニアや技術者が従事する分野で、機械工学、電気工学、ソフトウェア工学などの専門分野が存在します。 →技術系の講演や工学プロジェクトの進捗報告、製品開発会議など |
芸術 |
画家、音楽家、俳優などが活動する分野で、芸術的な技術や表現に関する専門的なスキルが必要です。 →アーティストやクリエイターへのインタビュー、アート展の記録など |
情報技術(IT) |
プログラマ、エンジニアなどが関与する分野で、コンピュータサイエンスや情報技術に関する専門知識が求められます。 →ソフトウェア開発、システム設計、ネットワーク構築などに関する技術的な会議やプログラミングについての講演など |
教育 |
教育者や教育関連の専門職が従事する分野で、教育心理学、教育法、教育技術などの専門分野があります。 →教育研究のグループワークやカンファレンス、オンライン講義、教育資料作成するためのミーティングなど |
これらの分野では、それぞれが特有の用語、概念、スキルを持っており、専門的な知識がなければ正確で適切な文字起こしは難しい場合があります。
例えば音声にノイズが多数含まれている場合や、会話が被っている、語尾が濁っているケースなど、聞き取りが難しい音声からの文字起こしの場合は、聞きなじみのない用語は通常よりも繰り返し聞き直す必要がでてきます。
あるいはノイズがなくても、あまり知られていない業界特有のルールなど、その前提になっている暗黙の了解を知らないままで起こそうとすると、文脈がまったくつかめないなどの弊害が発生します。
- 専門知識と言語スキル
各分野には独自の専門用語が存在し、正確な理解が必要です。文脈を理解することで、適切な用語を選択し、発言内容を正確に表現できます。 - 特有のプロトコルや手続き
各分野には特有の手続きやプロトコルが存在し、これらを正確に把握することが必要です。例えば、医療分野では患者の情報管理に関する法令があり、法律分野では法的手続きや規定が異なります。
以上のような理由から、専門用語や文脈を把握し作業、確認が必要となるため時間もかかります。
具体的な専門用語は以下のようなものが挙げられます。
医学・医療
- サクション (吸引)
- ベンチレーター (人工呼吸器)
- ウイニング (離脱)
- HOT (ホット・在宅酸素療法)
- GE (ジーイー)
- どうちゅう (動注療法)
- IVH (中心静脈栄養)
- ヘパロック・ヘパリンロック
- MT (ムンテラ)
このほかにも病名の略語や検査用語など、医療従事者や医学者が日常的に同業者とコミュニケーションをとるときや学会発表の際に使用される用語が想定されます。
法律
- 瑕疵担保責任
- 授権資本制度
- 中小企業整備基盤機構
- 商事留置権
- 催告の抗弁権
- 囲繞地通行権
- アポスティーユ
- ドイツにおける保証実務と庇護宣言
判例名や法律項目など記載がある場合もあります。判例では正確な判例名の調べ上げなど必要となります。
工学
- 応力−クリープ速度線図
- FEM
- S−N曲線
- 圧延制振鋼板
- 坑枠鋼
- 水素吸蔵アモルファス合金
- 過電流継電器(OCR)
- 縮小形変電設備
工学は特に幅が広く機械工学、電気工学、化学工学など様々な分野に分かれます。学術用語が多いことがあげられます。
芸術
- アブストラクト
- オルタナティブ・スペース
- フォービズム
- ポストモダン
- アート・インスタレーション
- モノローグ
- ブロッキング
美術品や歴史的建造物、デザインに対しての講義など対象がコアなものになるほど聞きなじみのない用語や様式など含まれることがあります。
情報技術(IT)
- CPM
- リレーションシップマーケティング
- シンタックスシュガー
- 比較演算子
- QEMU
- GPL(GNUパブリックライセンス)
- オムニチャネル
ITについても幅が広く、分野ごとに独自の用語が存在し、特に最新分野ではリアルタイムで技術更新しているため最新のトレンドにも注意が必要です。
教育
- アドミニストレーター
- 主専攻・副専攻制
- LMS:Learning Management System
- ジェームズ・ランゲ説
- STEAM教育
- 教育法
教育の分野は教育者に向けた専門的な用語以外にも、教育する分野によって使用する用語が異なってくることが特徴です。
以上のような専門性の高い用語でも業界内で日常的に使用していると、その特殊性に気が付かないことがよくあります。
文字起こし業界においても、例えば文字起こしの種類の違いについてよくご質問をいただきます。弊社では文字起こしの種類・形式として、「素起こし」「ケバ取り」「整文」を用意していますが、簡単に違いを説明しますと、発言の内容をそのまま一言一句起こす(素起こし)か、ある程度整理する(ケバ取り、整文)のかで分けられます。
※文字起こしご利用の際に種類・形式などに疑問がありましたらお気軽にご相談ください。
「ケバ取り」では、言い直しや言い間違い、「えー」「あのー」などの言い淀み/フィラーワードを取り除いた上で書き起こしを行います。発言の内容や主旨はそのままに、可読性をあげ読み易くすることを目的としており文字起こしにおいては一般的な対応です。
「素起こし」は逆に、言い淀み/フィラーワードや相槌も含めて発言のままに起こします。そのため特に学術研究や裁判などにおいて利用が多くなります。
整理整頓された記録として残す場合は「整文」がお勧めになります。それぞれの違いや向き・不向きは業界内では常識になっていますが、初めて文字起こしを利用される方は戸惑われることが多いようです。
データグリーンでは、さまざまな分野の知識を得たライターにより書き起こしを行っておりますが、お客様が望む分野において専門的な知識が少ない場合や日々変わる最新の情報があった場合でも、ご提供いただく資料によって文字起こしの品質は向上します。
参考資料の重要性については以下が挙げられます。
- コンテキストの理解
参考資料は、発言内容をより正確なコンテキストで理解するための鍵です。動画やプレゼンテーション資料を参照することで、話者の意図や情報の全体像を把握しやすくなります。 - 専門用語の確認
参考資料があると、専門用語の正確な確認が可能です。これにより、一般的な言葉遣いと異なる用語を正しく理解し、適切に表現することができます。 - 事前知識の補完
専門的な分野での文字起こしにおいては、事前に提供された資料が事前知識を補完する役割を果たします。これにより、文字起こし者はより的確で効率的な作業が可能で、精度向上とコミュニケーション効率化を図ることができます。
参考資料の提供により確認作業が軽減されます。これにより、文字起こし者は正確性を確保しつつも素早く作業を進めることができます。また、専門的な文脈が理解できることで、誤解や誤った解釈を回避しやすくなります。資料が正確かつ完備されていれば、文字起こしの品質向上に直結しますし、それだけでなくコスト面の減少にもつながります。
具体的に有益となる資料は以下のようなものが挙げられます。
- 参考資料
プレゼンテーションの資料、会議のアジェンダ、関連するレジュメなどが含まれます。 - 話者情報
複数の話者がいる場合、各話者の名前や肩書き、役職などの情報が役立ちます。話者識別にはいつだれが話すか、発言者の特徴のほかに、動画があるとより有効的です。これにより、正確な話者識別が可能となります。 - イベントや会議の情報
特定のイベントや会議で行われたものであれば、そのイベントや会議に関する情報が重要です。たとえば、開催日や場所、テーマなど会議の情報を知ることで、関連情報と結びつけやすくなります。 - 用語集や専門用語メモ
専門的な分野や業界に関する発言を文字起こす場合、その分野の専門用語や略語の辞書や用語集が役立ちます。これにより正確な専門用語の使用が可能です。
以上のような情報が1つでも提供があると、従来の文字起こし作業に加え情報との照らし合わせが可能となるためより高品質の文字起こしが可能となります。
データグリーンなら
データグリーンではビジネス、医療、教育、法律等における専門的な文字起こしに特化したサービスも提供しています。高品質で専門的な文字起こしを提供することで、お客様の業務を効率化し、価値ある情報へのアクセスをサポートいたします。どのような分野の音声、動画データの文字起こしでもお気軽にご相談ください。