オノマトペと文字起こし

オノマトペと文字起こし

オノマトペと文字起こし

言葉は私たちの日常生活や文学の世界において重要な役割を果たします。その中でも、特に興味深いのがオノマトペという言葉の存在です。

オノマトペとは、音や動作、感情を模倣して表現する言葉のことを指します。例えば「ゴロゴロ」という言葉は、雷の鳴る音や転がる様子を表現し、「ドキドキ」という言葉は緊張や興奮を表現します。

オノマトペは言葉の持つ魅力を最大限に引き出し、感覚的な表現を可能にします。


オノマトペの語源

オノマトペは「擬音語・擬態語」を意味するフランス語が由来ですが、そもそもの語源は、古代ギリシャ語の「onomatopoiia」からになります。

この言葉は「名前を作る」という意味で(擬音語や擬態語を指す言葉として)古代ギリシャの文献に登場しています。つまり「オノマトペ」とは名前を作り出すこと、音や動作、状態などを文字や言葉で表現する際に用いられる表現方法です。

日本語はオノマトペが豊富と言われており、辞書に載っている言葉だけでも2000語程度存在するとされています。オノマトペは古事記にも登場しており、神が国生みのためほこで海原をかき回すシーンで「こをろこをろ」という表現が使われています。


オノマトペの種類

オノマトペにはさまざまな種類があります。主な種類をいくつか挙げてみましょう。

  1. 擬音語(ぎおんご)音を表現する言葉であり、具体的な音を模倣します。
    例えば「ピカッ」という電気が光る音や、「ガシャン」という物が割れる音などです。
  2. 擬態語(ぎたいご)物や動作の様子や状態を表現する言葉であり、音だけでなく、物や動作のイメージも含みます。
    例えば「グニャグニャ」という柔らかいものが曲がる感覚や、「ピカピカ」という光る様子などです
  3. 擬声語(ぎせいご)生物の鳴き声を表現する言葉であり、具体的な動物や人間の声を模倣します。
    例えば猫の「ニャー」や犬の「ワンワン」が擬声語です。
  4. 擬情語(ぎじょうご)感情や心理状態を表現する言葉であり、主に人間の感情や心の動きを表現します。
    例えば「ウキウキ」という楽しそうな感情や、「イライラ」という腹立たしい感情などです。
  5. 擬容語(ぎようご)生物の状態をあらわす言葉であり、直接的な行動や動作を表現します。
    例えば「ウロウロ」や「ノロノロ」のような動作を表す様子です。

なおこれら種類は一般的な分類であり、言語や文化によってさらに細分化されることもあれば、独自のオノマトペが生まれることもあります。


オノマトペの限界と注意点

オノマトペは感情や状況を表現するための豊かな手段として非常に有効ですが、注意点もあります。
まず一つ目は同じオノマトペでも使われる文脈やシーンによって異なる意味を持つことがあることです。

複数の意味をもつオノマトペの例

キラキラ

光や輝きを表すオノマトペとして一般的に使われますが、時には笑顔や喜びを表現する効果音としても使われます。また、キラキラという表現が持つイメージによって、宝石や美しい景色などを表現することもあります。

ゴロゴロ

物が転がる音や雷の音、背中を丸めて寝る猫の音などを表現するオノマトペとして使われます。また、だらけている人や時には腹が空いているときの音や喉が渇いたときの音を表現する際にも使われます。

ザザザザ

雨の音を表現するオノマトペとして一般的に使われますが、時には風の音や機械の稼働音など、異なる音を表現する場合もあります。

2点目は、オノマトペは文化に強く依存するということです。
例えば日本の漫画は海外にも広く流通しています。台詞部分は現地の言葉に翻訳されていますが、絵と一緒に描かれているオノマトペ部分はそのまま描写されます。

単純なカタカナ文字なので外国人でも読解は簡単にできますが「ワンワン」や「キャンキャン」と犬の横に表示されていても、それが犬の鳴き声を表現しているとは伝わりにくいわけです(英語でワンワンなら「woof」、キャンキャンなら「yelp」など)。

他にもオノマトペは感覚的なやり取りを楽しむ傾向にある若者言葉とは相性がよく、「オラつく」「ジワる」「モニョる」などオノマトペから発生し、SNS上で一般的に使われるようになった単語が多数あります。「あの先輩オラついていて怖い」「最終回をみたらモニョった」など世代が違うと理解が難しい表現もあるでしょう。

オノマトペを使うことで音や動作、状態を生き生きと詳細に表現できる反面、意図とは違った印象を伝えてしまうこともあります。文字起こしの際には、こういった注意点に気を配ることが重要です。

例えば「ピカピカのランドセル」とあると通常は新品のランドセルという意味で間違いはないでしょうが、物理的にピカピカしているランドセルのことかもしれません。

「ピカピカ光るライト」は、切れかけの電球なのか、あるいは車のファザードなのかもしれません。

文字起こしの際、オノマトペの意味を正確に理解するには、テーマや背景、前後の文脈を含めて把握しておくことが重要になります。


オノマトペと文字起こし

データグリーンの文字起こしサービスには3パターン(素起こし、ケバ取り、整文)の起こし方があります。
簡単に違いを説明しますと、発言の内容をそのまま一言一句起こす(素起こし)か、ある程度整理する(ケバ取り、整文)のかで分けられます。

「素起こし」ではオノマトペから言い間違いも含めてそのまま起こされます。
「ケバ取り」は言いよどみや言い直し等の範囲までの整理となり、オノマトペは通常はそのまま残されます。
「整文」では、オノマトペは削除、代替表現に置き換えられる場合があります。

【オノマトペあり】と【整文】の違いをいくつか記載します。

オノマトペあり

雨がザーザーと強く降り始めた。窓の外ではドタドタと水しぶきが飛び散り、庭の花たちはパタパタと振り乱れている。

整文

雨が強く降り始めた。窓の外では水しぶきが飛び散り、庭の花たちは振り乱れている。

オノマトペあり

クリスマスの夜、子供たちの心臓はドキドキと高鳴っていた。サンタクロースがプレゼントを持ってやってくるというわくわく感がいっぱいだった。

整文

クリスマスの夜、子供たちは興奮していた。サンタクロースがプレゼントを持ってやってくるという期待感がいっぱいだった。

オノマトペあり

朝の静かな時間、鳥たちがピーピーと鳴いているのが聞こえる。窓の外ではネコがニャーニャーと鳴いているのが聞こえる。

整文

朝の静かな時間、鳥たちが鳴いているのが聞こえる。窓の外ではネコが鳴いているのが聞こえる。

【オノマトペあり】では、オノマトペが具体的な音や動作を生き生きと表現するのに活用されています。これにより、様子や雰囲気をリアルに感じることができます。

一方【整文】では、具体的な音や動作を直接的に表現することはできません。しかし、具体的な事象や文化固有の要素に依存しない表現のため、異なる文化や背景を持つ人々にも理解されやすい特性があります。

※オノマトペの表記については記者ハンドブックでは「擬音語・擬声語」はカタカナ表記、「擬態語」はひらがな表記が推奨されています。

オノマトペは、文学やコミュニケーションにおいて重要な役割を果たしています。

豊かな表現力や効果を通じて、読者や聴衆に直感的な感情や情景を伝えることができる魔法の言葉です。言語や文化によって異なる表現や使い方があり、時代とともに変化し、新しい表現が生まれることも魅力です。

しかし、日本語にはオノマトペ以外にも豊富な表現手法があります。文章や話の中で与えられる文脈、背景情報、言葉の選び方や文法の使い方、文章構成などで読み手や聴き手に情景を想像させる表現の多様性を活かし、洗練された文章を作成していくことも魅力的です。

そのような文章作成の際に弊社文字起こしサービスが微力ながらお力添えできれば嬉しく思います。


データグリーンなら

音質が悪くAI音声認識では正確に文字起こしできない場合や会議・裁判訴訟等において精度の高い文字起こしが必要な時には、データグリーンへご相談ください。音声データの解析技術と熟練ライターの豊富な経験・ノウハウを組み合わせた「精度の高い文字起こし、テープ起こし」をご提供いたします。長時間の文字起こし、テープ起こしにも低価格、年中無休で対応しておりますので、週末のご依頼でも土日祝日の納品が可能です。また、プライバシーマークおよび情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格「ISO27001(ISMS)」の認証も取得しておりますので、秘匿性、機密性の高い音声データもデータグリーンへおまかせください。

お電話からお問い合わせ

0570-550-729

年中無休

平日
9時〜18時
土日祝
9時〜13時

※年末年始、GW、お盆期間は休業

Webからの
お問い合わせ・無料お見積り

広告ムービー